KiQでは現在、二名の大学生がインターン中。
どんなバックグラウンドをもってジョインし、業務を行っているのか。ここでどんな学びを得たのか。菊地との鼎談形式で、二回に分けてインターン生の声をお届けします。
三沢:
インターンを始める前は、仕事としてデザインを請け負った経験は多くありませんでした。個人で仕事を請け負うよりは、インハウスでデザインをしてみたいという思いがあって、大学の就職サポ―トセンターで情報収集をしていたところKiQを知ってインターンに応募しました。
始めは希望しているフレックスタイム制で働けるという、働き方に惹かれての応募でした。実際に入ってみて良かったと思っているのは、私は平面的なデザインが得意だなと気付けたことです。元から絵を描くのは好きだったけれど、以前は自分の得意分野が定まっていない状態。漠然と好きなものはあるけれど、今後何を専門にして、どこを目指していくかは決まっていなかったのですが、仕事としてさまざまなことを任せていただく中で気付くことができました。
森:
僕は4月からインターンを始めました。広い分野でいろいろなもののデザインに関われるような場所を求めていたんです。
元々僕には、車のデザインを手掛けたいという夢がありました。大学でプロダクトデザイン学科に進んだのも、その夢を叶えるためです。しかし実際にインターンで車のデザインに関わってみると、自分の希望する仕事は別のものかもしれないと気が付きました。他の人は「とにかく車が好き」という感じだったのですが、それと比べると僕の車好きは、「かっこいいもの」が好きで、その一つとして挙げていたのが車だと分かりました。
僕の思う「かっこいい」は、今手元にある電卓の、操作の分かりやすさやボタンの押し心地にも感じます。元々プロダクトに関心があったのですが、大学生活の中で洋服や音楽、映像などにも興味を持つようになりました。そこで、とにかく幅広いデザインに触れて学びたいと思い、今も勉強を続けています。
ーー担当しているのはどんな業務ですか。
森:
KiQでは今、店舗の空間デザインや、制作する映像のコンテを組むなど、さまざまなことに携わらせていただいています。希望していた”幅広いデザイン”に触れられることに、やりがいを感じているところです。
三沢:
私が業務として任せていただいたのは、書籍のレイアウトやイラスト部分のデザイン、ピクトグラムの制作など。平面的なデザインやグラフィック関係のデザインが多いです。現在は、3DCGを使ったインスタレーションのデザインなども任せていただいています。授業でインスタレーション作品をつくったことはあるくらいで、経験は多くありません。それでも、空間を彩るデザインに、実務で本格的に関われるのはとても勉強になっています。
ーー三沢さん、インターンをしていて良かったと思うことはありますか。
三沢:
私は、自分が今までに経験してきたことや学んできたことを活かせるのが何よりいいなと思っています。例えば、CGのアプリケーション。これまで趣味の範囲で扱っていただけでしたが、今ではデモンストレーションやイメージ画像を作っています。技術は磨きたいところですが、過去に自分が取り組んだことを活かせる機会があるのは嬉しいなって思っています。
森:
僕もそう思います。技術的なところで自分のもっている引き出しから出せるものを出して、それをさらに少し高いにもっていくということはできる機会が多くて、楽しいです。
ーー十分な経験がないCGを担当することになったのは、どんな経緯だったのですか。
三沢:
自信はなかったのでCGができますとはっきり名言してはいなかったけれど、菊地さんに任せていただきました。
菊地:
うん、ただ映像制作をしたいということは聞いていたから、私の判断で一度任せてみたいと思って。
CGは空間の認識ができなければいけなかったり、世界観をつくることが必要になったりするのだけれど、三沢さんは分からないことがあっても自分なりに今できることで表現するとか頑張ってくれているので、挑戦的なものも任せてみようと思っています。
デザイナーって、20代半ばくらいから自分の世界観ができてしまう人が多いです。だからこそ、インターンのみんなにはまっさらな気持ちで私と一緒に描き切ることを求めています。0から1を創る作業を、2人とも素直な気持ちで捉えてしてくれているなと感じています。
三沢:
嬉しいです。
クライアントワークなので、毎回FIXがある中ですごい勢いでつくらなければならないことが多いです。挑戦的な内容では私ができることは何だろうって必死に考えながら、まずはやってみようという気持ちで取り組んでいます。形にする中で新しい発見ができるし、修正・改善しながら、いつも一段上のことに挑戦できている感覚です。
ーー森さん、他にもインターンをしていてよかったと思うことはありますか。
森:
僕が特に思うのは、プロジェクトの進め方や、複数の人と作業をする中で、人にどう任せればいいのかという部分です。これまで僕は、一人で作業をして成果物を出すことがほとんどでした。こうやって皆さんと話し合って、どうやって良いものにしていくかという過程がすごく勉強になっています。
福岡にいることもあって普段はオンラインがメインですが、一度現場に活かせていただいたことがあります。そのときは率直に「何ていい仕事だ」って思ったんです。自分の好きなことにこれだけ集中できて、それが仕事になって。ご一緒した外部の方も熱意をもって仕事をされている方で、そういう方たちと関われて「自分が本当にやりたいことってこういうことなんだろうな」と感じる日でした。
一人で作業することが多かった頃は、人に任せるとイメージしていたものとちょっと違ったりすると「自分でやった方が良かった」と悔いる気持ちがありました。それが、KiQに入ってからは、絶対に自分一人ではできなかったというものが出来上がります。僕はプロダクトデザインをメインにしてきたので、グラフィックなど他の多方面な分野の方から違ったアプローチをいただいて、ハッとさせられることが多いです。
菊地:
私の会社やプロジェクトは、プロフェッショナルな人が集まって行うことが常です。ひとつひとつのプロジェクトはクライアントさんの想いや性質によってまったく違うので、すべてが唯一無二。そういった仕事をするためのチームビルディングの在り方は、かなり重要だと捉えています。
私自身、独立までにはいろいろなプロフェッショナルな方を見てきました。アートディレクター秋山具義さんや、写真家の宮原夢画さん、ロボット研究者の石黒宏先生など、各業界のトップレベルの方と仕事をしてきているし、今もご一緒しています。チームのみんなには、そういったプロの以後との仕方を見て、目で盗んでほしい想いもあります。大変なプロジェクトでも、KiQではまず挑戦できる環境をつくろうと思っています。その中で、自分自身もプロフェッショナルになっていただきたい。そのためには競争心とか、向上心も必要になるけれど、まずは自分の色を知ること。そして、自分がどうなっていきたいのかが見えないと到達できないものです。段階を踏んで、自分の分野でプロフェッショナルを目指してほしいです。
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東京を拠点にするデザインスタジオKiQ(キク)のFounder & CEO、ディレクター。18歳で仙台から単身ニューヨークへの大学留学を経て、文化の奥深さを探究しに芸者修行。修行を通じて、和の振る舞いに感化される。デザインスタジオKiQでは、アート・文化・テクノロジーの調和をテーマに、これまでにないモノ・コトの再変換を行っており、マルチディシピリナリー(人種・世代を超えた多様な視点)な価値観をクリエイティブとともに提供している。所作コレオグラファーとしても活動し、人間やロボットなどの振る舞いを「所作」の概念でデザインする独自の専門家として国内外で活動。
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