皆さんこんにちは、菊地あかねです。
前回に引き続き、クリエイティブのお話を、私自身の経験を元にお話したいと思います。
私自身が独立したのは2016年。今振り返ると、本当に無計画でした。
独立は大きく分けると、2つのパターンがあるかと思います。
1つ目は、デザインブティックや制作会社に勤めて、20代後半で独立する方。
2つ目は、30代前半の脂の乗った一番いい時期に、何年か代理店で勤め上げ、会社として独立する方。
そのなかで、私は前者でした。独立時期がもっと早い方もいると思いますが、こちらのパターンの方が多い印象です。
現代では、クリエイターの数も増えており、ソーシャルメディアなどでお仕事を取られる方も多いかもしれません。
2016年は、知り合いベースでお仕事を受けることが大半を占めていました。独立前に出会った方々と、webやDX、グラフィックや映像などの結構多岐にわたる仕事をしていましたね。
ただ漠然と和を大事にしたいなとか、日本の文化が好きだなという思いが根本にあったため、「日本の文化って大事。そういったものをクリエイティブに落とし込んだ仕事をしたいんだよね。」と言葉にしていました。
また、当時は着物を着ることが多くありました。
今も時間がある時は着ているのですが、他のデザイナーとの差別化というところでは、アイコニックな形状を自然と作っていたのかなと思っています。
独立してからの1年間は、知り合いの仕事、例えば店舗のブランディング、UI・UXの部分、ブランディング周りの仕事をしていました。振り返ってみると、仕事をしていく中で、少しずつ自信がついてきたように感じます。
もし、私が代理店に勤めていた場合、独立後の流れは全く異なっていたでしょうし、独立後の勢いももう少し加速させることができたかもしれません。
しかし、計画的とは言えない形で独立し、手探りながら仕事を進めてきたおかげで、自分自身と向き合う時間を多く作ることができたと感じています。
自分の価値とは何か? クリエイターとして表現したいことや出会いたいこと、やりたくないこととは何か? というように、自分のレールを自分で作れた点はとてもよかったと思っています。
2017年から2018年は、徐々にお仕事の引き合いが増えていきました。
「菊地さんにぜひお願いしたいことがある」というのを、当時の5年前位に出会った人から相談をいただいたり、私が昔デジタルハリウッドという所で教えていた時に出会った方から、ご相談をいただいたりしていましたね。
歌舞伎ロボットKibiro(キビロ)を取り扱うAIの会社さんで、人工知能を使ったロボットを歌舞伎バージョンにしたいというご相談を受け、当時8代目市川染五郎さんとコラボレーションし、歌舞伎の振る舞いをテーマにしたコミュニケーション型ロボットのブランディングも行いました。
振り返ると、その振る舞いも今やっているような所作を広める活動につながっていると思います。
自分が大事にしてきたものを振り返ってみると、すべての仕事に「所作」がありました。
例えばアメリカのオースティンで開催されたスタートアップの祭典「サウスバイサウスウエスト」で発表した、生け花のバーチャルリアリティにも所作的な要素があったと感じています。こちらの作品は私が元々在籍していた制作会社・BBメディアさんと一緒に作ったものです。
あらゆることが私の関わった方々の興味関心に繋がっていき、面白い作品が生まれたと感じています。
「サウスバイサウスウエスト」で表現したものは海外で評価されたので、次回はそのお話もしたいと思います。
私自身の話を振り返ると、本当にいろんなことがあり感慨深いです。これからも出会いを大切にし、どんな出会いが待っているのかを楽しみにしています。
ありがとうございました。
東京を拠点にするデザインスタジオKiQ(キク)のFounder & CEO、ディレクター。18歳で仙台から単身ニューヨークへの大学留学を経て、文化の奥深さを探究しに芸者修行。修行を通じて、和の振る舞いに感化される。デザインスタジオKiQでは、アート・文化・テクノロジーの調和をテーマに、これまでにないモノ・コトの再変換を行っており、マルチディシピリナリー(人種・世代を超えた多様な視点)な価値観をクリエイティブとともに提供している。所作コレオグラファーとしても活動し、人間やロボットなどの振る舞いを「所作」の概念でデザインする独自の専門家として国内外で活動。
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