KiQが所作を実装した河野太郎大臣のアバターロボット「アバタロー」の、実証実験を進めています

2023/06/17

KiQが所作を実装したデジタル庁・河野太郎大臣のアバターロボットを利用する実証実験を実施しました。遠隔操作でき、自分の体と同じように感覚を共有できるのが特徴で、現役閣僚をアバターロボット化したのは世界初です。 この取組は、内閣府が主導しJSTが研究を推進するムーンショット型研究開発事業。ホスピタリティー豊かでモラルのある対話や行動が可能なアバターロボットの実現を目指します。 実証実験では、アバターロボットが街ゆく人々と会話し、目の前に大臣本人が来て話していると感じられるか、大臣の言葉はより人々に届きやすくなるかなどの効果を検証。河野大臣本人も、約15分間議員会館から操作を行いました。 この事業は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所 インタラクション科学研究所の宮下敬宏所長と大阪大学 大学院基礎工学研究科の石黒 浩教授のグループが研究を進めているもの。ロボットを使ったアバターの研究開発を行なっている石黒先生とのご縁で、菊地が振る舞いのデザインを担当しています。 先日、河野大臣のCAはG7会合の公式イベント「DXサミット」にも登場。国際会議デビューを果たしました。このCAは、今後も河野大臣が発信、菊地が振る舞いのデザインを担当しながら実証実験を進めてまいります。 【菊地のコメント】 アバターロボットに所作を実装するには、河野さん自身の動きをそのままコピーする訳にはいきません。アンドロイドには制約があって人とまったく同じようには動かせませんし、本人と同じ所作をさせるだけでは不十分だからです。 実装する所作は、対面でのカウンセリングと、ご講演などの映像から普段の振る舞いを取得します。人の動きにはある程度決まったパターンがあり、その癖を掴んでいくイメージです。河野さんの場合は、話を聴くときに手を組むなどの癖や、普段の生活や生い立ちから政治家らしい振る舞いが出やすい方だと分かります。加えて、リーダーらしさの奥に隠れて見えにくいですが、誰にでも優しさをもって接していらっしゃるなどのお人柄も捉えました。 所作を実装する際のこだわりは、ご本人より人間らしい『進化した人間』にすることです。これにより、アバターロボットが対話する人とも、言葉をこえた振る舞いを通じて共進化を促すことが可能になります。 具体的にお伝えすると、今回は、腕を組むポーズはなくしました。手を組む動きは、真剣に考えていることが伝わる一方で、パーソナルスペースを取る保守的な動きにも映るからです。アバターロボットの利用目的から考え、取り除いた方がよい所作と考えました。逆に、柔らかい印象をもってもらえるよう、所作のボキャブラリーを増やし、豊かな動きをデザインしています。 今後も河野さんアバターの実証実験は続きます。ニュース等を見た際は、その所作や、受けとる印象にも注目してみてください。