Art, Experience, Shosa Design,
KiQは、石黒浩氏らとのコラボレーションによって生み出された”HI-06"に次ぎ、新たに河野太郎デジタル大臣を迎え、アンドロイド同士の対話の中の「所作」を実装しました。
この作品は、ロボット学者 石黒浩氏(大阪大学教授)の遠隔操作型アンドロイドであるHI-06と河野太郎大臣のサイバネティック・アバターが、共にスピーチを行うものです。 KiQはこの作品において、これまでの所作の研究の実装に加え、新しい観点から見る所作の研究を行い、デザインとして実装しました。それは単に美しい所作を追求するだけでなく、個人個人の人間らしさや個性を引き出すというものです。例えば、日常の自然な動作、表情、癖を捉えてアバターに反映することで、その人自身のアイデンティティを保持しつつ、より豊かなコミュニケーションを実現可能にしました。 また、このプロジェクトはムーンショット型研究開発制度が背景にあります。国のイノベーション創出を目指す大規模な研究プログラムであり、従来の技術を超えた大胆なアプローチを推進するというものです。石黒氏と河野氏は、このコンセプトを基に、サイバネティックアバター技術の研究開発に取り組んでいます。 具体的には、人間の身体能力や認知能力を拡張し、現在の社会では働くことが困難な方でも、社会参加を可能にする技術の開発が焦点です。 サイバネティックアバターを活用することで、ホスピタリティやコミュニケーションの向上を図っており、遠隔地からの社会活動や業務を効率化する試みも行われています。 その未来の実現のために、河野太郎デジタル大臣のブランド価値を広く伝えることも重要です。KiQは、デジタルネイティブ世代とそうでない世代との間に生じるコミュニケーションギャップを埋めるため、広範な層にアプローチすることを考慮したトータルなディレクションをしました。 KiQの思い描くビジョンは単なる技術の実現だけでなく、その技術を通じて社会的に困難を抱える人々に対して貢献することにあります。身体表現や感覚を駆使する非言語的なコミュニケーションを重要視し、それによって生まれる感覚的価値や、驚きと発見を皆様と共有することで、今後もユニークな作品とデザインを提供したいとの思いを込めています。
Shosa : Akane Kikuchi + ATR + Osaka University
2023
Art, Experience, Shosa Design