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胸元に描かれる、景観のインスピレーション
「東京友禅」を、現代の風景から文様をデザインし描くことで置き換えたプロダクト開発。友禅は着物や帯の材料となる絹や木綿などのテキスタイルに対し、筆や染料を用い花鳥風月の意匠を描き染める手法。昭和の終わり頃からその技は着物の普及の減少に伴い、注目される機会が減り身に纏う人も多くありません。 友禅の名は江戸時代の京都の扇絵師・宮崎友禅斎に由来し、友禅の描く扇絵は元禄の頃に人気を博し、その画風を小袖の文様として染色したのが友禅染です。その後、東京、加賀など様々な地域でも発展を遂げましたが現在は型染めや友禅を模した模様をプリントしたものを友禅として販売されていることも多く、KiQは東京友禅が江戸の生活感覚や美意識による洒落た趣味が好まれてきた日本的美意識と自然との共存に注目し、拡張を持った友禅であるという特色を生かし 現代の東京の風景を文様に再変換しテキスタイルに映し出しました。 江戸時代、江戸友禅のデザインは町方では粋な柄が、山手では上品な草花の写実柄とあらゆる階層で形式にとらわれることなく自由奔放に発展しました。技法や柄行きを分け隔てなく制作することが特徴で、江戸友禅の発展である東京友禅の別名は「創作友禅」。 伝統とモダンがそこはかとなく織り合うフランス・パリでは1970年代に流行から離れた装飾の伝統技術であるレースが、ユニセックスの流行から人々から古臭く感じられましたが、70年代後半から近年ではデザイナーやクチュリエからも使用され現代でも多くのコレクションで存在し、ジャン=ポール・ゴルチエが提案した男性用の服にも前衛として使用されています。 そのように、TOKYO COLORは着物のような旧式にとどまっていた手法をクリエーションの形として落とし込んだプロトタイプです。 今この瞬間に目に見える街並みを情緒的に切り取り文様として落とし込み、日本に存在する意識的感覚を緩やかに調和させました。
TOKYO
Direction: 菊地あかね
2016
手描き友禅: 笠原以津子
織り: 太平織物
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